
尿酸値が上がる原因を徹底解説【プリン体を控えればいいってものではない】

慶應義塾大学→三井住友信託銀行→ライザップトレーナー
現在、松本市村井でPersonal Gym I’m(パーソナルジムアイム)経営中の佐々木駿(@shun_sasaki_1994)です。
これまで100名以上の方のダイエットを成功に導いています。

・筋トレをしているのに健康診断で尿酸値が高いという結果が出た…
・このままでは痛風になってしまうのでは…
・尿酸値が上がる原因ってなに?
・尿酸値を下げるには、やっぱりプリン体を控えるべき?
今回は上記のような悩みを解決できる記事を用意しました。
先日、友人から「筋トレをしているのに、尿酸値が高いんだけどどうしたらいい?」という連絡をもらいました。
そこで今回は、本日は筋トレと尿酸値の関係および、尿酸値が上がる原因について深掘りしていきます。
尿酸値が高い=痛風になりやすい
痛風=めちゃくちゃ痛い
こんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
そんな痛いとされる痛風になりたくないですよね?
この記事を読むことで、尿酸値が上がる原因、下げる方法を正しく理解でき、痛風にならずに済みますよ!
痛風のメカニズム
1.尿酸という物質が結晶化して、関節に蓄積する
2.蓄積する尿酸が多くなりすぎて、結晶が剥がれ落ちる
3.剥がれた結晶を白血球が攻撃=めちゃくちゃ痛い
上記のようなメカニズムで痛風は引き起こされます。
尿酸値が高いということは、体内に尿酸が多く溜まっていることを意味します。
だから、尿酸値が高い人は痛風になりやすいということなんです。
尿酸値を上げる原因4選
1.筋トレ
2.ストレス
3.飲酒
4.尿酸排出量の減少
それぞれについて見ていきます。
1.筋トレ
筋トレをすることは健康に良さそうなので、尿酸値を下げてくれそうなイメージがありますが、そうではありません。
筋トレをすると、ATPというエネルギーが使われます。
このATPが使われるタイミングで、尿酸も一緒に生成されるんです。
また、筋トレは筋肉を破壊する行為でもありますが、筋肉が破壊されるタイミングでも、尿酸は生成されます。
なので、ハードに筋トレをすればするほど、尿酸は生成されるということです。
後述しますが、筋トレを辞める必要はありませんからね!!!
2.ストレス
人間はストレスを感じると、活性酸素が増えます。
現代社会で仕事をしていれば、ストレス0で生きていくことは不可能ですよね。
そして、活性酸素に対抗するために、人間の体は抗酸化物質を増やすんです。
この抗酸化物質が「尿酸」なんです。
抗酸化物質なので、尿酸は悪者ではないのですが、尿酸が増えると痛風のリスクが高まります。[※1]
3.飲酒
アルコールの摂取は尿酸値を高めてしまいます。[※2]
「プリン体0のビールだから大丈夫!」ということにもならず、アルコールが入っていれば尿酸値の上昇につながってしまうんです。
社会人になって、尿酸値が上がったという方は、飲み会が多くなったことも原因の1つとして考えられます。

『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版』(日本痛風・核酸代謝学会 ガイドライン改訂委員会)より
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO23286570Z01C17A1000000?channel=DF140920160927&page=3より引用
尿酸値を気にするならワイン
アルコールが尿酸値を増やすと言われていますが、ワインを飲んだ場合、痛風発症のリスクが低いという研究結果もあります。[※3]
ちなみにこの研究では、ビールを飲んだ人の痛風発症率が高かったとされています。
もちろんワインの飲み過ぎはよくないですが、ビールを飲むのであれば、ワインを飲んだ方が良いと言えそうです。
4.尿酸排出能力の減少
肥満の人は尿酸排出能力が低くなる傾向にあります。
インスリンというホルモンが増えると、尿酸排出能力が減少するのですが、肥満の人はインスリンが体内に多くなってしまうからです。
インスリンは体内に糖質が入ってくると、分泌されるホルモンです。
肥満でない人は、1の糖質が入ってきた場合、1のインスリンで事足りるのですが、
肥満の人は、1の糖質が入ってきたら、10のインスリンがないと対処できないイメージです。
肥満になってインスリンがうまく機能しなくなることも、尿酸値を高める原因の1つなんです。
尿酸値を下げるためにやるべきこと3選
1.ビタミンA、ビタミンCを摂取する
2.水を飲む
3.肥満を解消する
1.ビタミンA、ビタミンCを摂取する
先ほど、尿酸は抗酸化物質であるとお伝えしました。
決して尿酸は悪者ではないのですが、痛風の原因になってしまうのは事実です。
では体内に、尿酸以外の抗酸化物質があったらどうでしょう?
尿酸以外の抗酸化物質があれば、尿酸は増えずに済むんです。
そんな尿酸の代わりになる抗酸化物質が、ビタミンAとビタミンCです。
この2つは食事から必要量摂ろうとするのはかなり難しいので、サプリメントで摂ることをオススメします。
以下のマルチビタミンを摂ると、ビタミンAもビタインCも摂れるので、非常にオススメです。
2.水を飲む
筋トレとアルコールによる尿酸値の上昇に関しては、水を飲んで対処していきましょう。
水を飲むことで、尿酸の排出能力が高まります。
筋トレをして、汗をかくと体内の水分量が減ります。
すると、尿酸の濃度が高まってしまうだけでなく、尿による尿酸の排出能力が低下してしまいます。
トレーニング中に水分を2リットルとるのが理想ですが、難しければ最低でも1リットルは水分をとるようにしましょう!
また、体内でのアルコールの分解にも水を飲むことは役立ちます。
男性は2リットル、女性は1.5リットルは日頃から水を飲めるとベストです!
筋トレと飲酒による尿酸値の上昇は「水を飲む」ことで対処が可能です。
3.肥満を解消する
先述したように肥満は尿酸値を上げることにつながります。
この解消法はいたってシンプルで「痩せること」です!
痩せることで、インスリンが正常に働くようになります!
ダイエットに関しては、まず以下の記事をご参照ください。
糖尿病の疑いがある方は、医師の指示に従ってください。
プリン体を控えることは、尿酸値にほとんど影響しない
ここまで、尿酸値を下げる方法についてお伝えしてきましたが、
「プリン体が多い食事を控えたほうがいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
結論、プリン体を控えることは、ほとんど尿酸値に影響しません。
最近では、食事からのプリン体を制限しても、尿酸値はそこまで変わらないとされているので、
痛風にならないために、いくら、エビ、白子を我慢するといったことは、そこまで重要ではないんです。
まとめ
いかがでしたか?
尿酸値を上げる原因は、多岐に渡ります。
また尿酸値を下げるために、プリン体の多い食事を控えることは、あまり効果が見込めません。
尿酸値を上げる原因、下げる方法を正しく理解し、痛風を予防していきましょう!
参考文献
[※1] 医学常識はウソだらけ 三石巌著
[※2] Ethanol-induced hyperuricemia: evidence for increased urate production by activation of adenine nucleotide turnover.
[※3] Choi他. Alcohol intake and risk of incident gout in men: a prospective study. 「アルコールの摂取と男性における痛風発生のリスク:前向き研究」Lancet. 363: 1277-81, 2004.